戸建住宅では、冬の寒さは暮らしに大きく影響します。
外の寒さにより床が冷えてしまいなかなか部屋が暖まらない・・・なんて経験のある方も多いのではないでしょうか。また、日照時間の短い冬は部屋に日差しが入る時間も少なくなるため、お日様の暖かい陽射しが部屋に入り込む時間もわずか。部屋を暖めても窓のそばは寒く、床で遊んだりお昼寝する小さいお子さんが冷えてしまうか心配ですよね。そんな時に検討する人が多いのが「床暖房」ですが、はたして必要なのか?と悩む人も多いでしょう。そこで今回は、床暖房のメリット・デメリットや光熱費についてお話ししていきたいと思います。
【床暖房とは?】
床暖房とは、床下の熱源で部屋を暖める暖房器具で、床下から床を伝わってくる熱が天井や壁に反射しながらゆっくりと部屋を暖める仕組みになっています。
暖かい空気は上がっていく性質があるので、効率的に部屋全体を暖めることができるとされています。床暖房は、下記のように大きく2つに分けられ、熱源の温め方が異なります。
◇電気ヒーター式
床下に電熱線ヒーター内蔵のパネルが設置されたタイプです。電気の力でヒーターを温め、それによって部屋を暖めます。
◇温水循環式
床下に配水管を設置したタイプです。
ボイラーで温めたお湯を配水管に通し、温水の循環によって部屋を暖める事ができます。電気式と温水式を比較してみると、初期費用は電気方式の方が割安で、ランニングコストは温水式の方が安くなる傾向にあります。
【床暖房のメリット・デメリット】
〈床暖房のメリット〉
床暖房は足元からじんわりと温まってくるので、暖かさを感じやすいと言われています。床暖房なら足元から効率的に部屋全体を暖める事ができ、暖房器具自体が床下に隠れているため、インテリアの邪魔をしたり場所を取ることもないので、部屋を広く使う事が出来ます。また、火を使わない暖房なので安全で、水蒸気の発生がないため、結露やカビ・ダニの発生につながらない点もメリットの1つです。エアコンのように風が出る事もないため、ホコリやチリを舞い上げる心配がないのも嬉しいですね。
〈床暖房のデメリット〉
ゆっくりとじんわり暖める暖房器具なので、床暖房のみだとスイッチを入れてから実際に室温が上昇するまでに時間がかかってしまうというデメリットがあります。そのため、すぐ部屋を暖めたい時や、短時間しか利用しない部屋には不向きかもしれません。また、設置のための初期費用や日々の光熱費もエアコン等と比べると割高となってしまうので、設置前にしっかりと検討する必要があります。
【床暖房とエアコンの光熱費を比較】
一般的な床暖房とエアコンの比較です。
床暖房を設置するか悩んでいる方は参考にしてみて下さいね!
〈初期費用〉
エアコン:10万円~15万円程度
電気式床暖房:30~40万円程度
温水式床暖房:50~60万円程度
床暖房は床下に熱源を設置する工事が必要となるので、エアコンよりも初期費用がかかります。
〈1か月の光熱費〉
エアコン:4100円程度
電気式床暖房:6100円程度
温水式床暖房:2800円程度
※8~10畳程度を1日8時間使用/電気代は1kWh27円)
エアコンの光熱費は高いイメージがあるかもしれませんが、床暖房も格安という訳ではありません。一般的な平均でみてみると、灯油ボイラーによる温水式床暖房がエアコンよりも安い傾向にあるようです。
〈修理費用〉
エアコン:1万円~数万円程度
床暖房:20~30万円程度
床暖房は床下の熱源機の修理となると高額になってしまう可能性があります。
ただし、床暖房は基本的に半永久とされており、家が老朽化するまでは修理する機会はほとんどない作りになっているとされています。
〈体感温度〉
足元から暖まる床暖房は、部屋が暖まるまでに時間がかかるものの、エアコンと比較すると室温以上に暖かさを感じやすいとされています。また、輻射熱で部屋全体を暖める事が出来るので、部屋がしっかりと暖まったら暖房を消しても部屋の暖かさが持続するというメリットがあります。エアコンと床暖房を比較すると、床暖房は費用がかかるイメージかもしれませんが、エアコンは上空だけを暖めるので足元が暖まりにくいですが、床暖房は足元から暖めるので部屋中が暖まりやすく体感温度が高い傾向にあります。
【こんな工夫も!】
床暖房は、初期費用やランニングコストの問題や、床材によっては床暖房に対応でいない物もあります。床暖房を検討した方はこんな工夫をされているので参考にしてみて下さい!
・予算の問題であれば一部の床のみに設置する
・床暖房を設置しつつ、他の暖房機器と併用してうまく節約する
・温かみを感じられる無垢材を使用する
無垢材の床材は肌触りが柔らかく温かみを感じやすいと人気です。
湿度のコントロールもしてくれるので、夏はサラッと爽やかな触り心地で冬は温かみがあ
り乾燥しすぎを防ぐ効果が期待できるので、床暖房の設置が難しい場合は、無垢材の床材を採用するのも良いのではないでしょうか。
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