既存の住宅に後からリフォームでパントリーを増やそうと思うと、限りあるスペースをパントリーに充てるためキッチンが狭くなってしまうことがあります。
しかしこれから新築の注文住宅を建てる場合は、敷地面積の中で優先順位の高いものから割り振っていけるので、実際に生活をスタートした時のイメージがしやすいのが嬉しいポイントですよね。
そこで今回は、皆さんが注文住宅の間取りで悩まれる「パントリーは本当にあった方が良いのか?」というテーマで考えていきたいと思います。
そもそもパントリーってどういう意味?
従来は、キッチンで作られたものを盛りつける「配膳室」のことを指していましたが、海外ではその用途の他にもキッチン用品や食材を収納していることから広い意味で「食糧庫」、「食器室」といった意味で使われている空間のことです。
キッチンに隣接しており、さらに食品が悪くならないように直射日光や高温多湿になる方角を避けるように作られているのが特徴です。
日本でも長らく「床下収納」の存在がパントリーと同意義の役割を果たしており、今でもストックを床下に保管する考え方は根強いものと思われます。
注文住宅でパントリーの空間を確保するにあたり気をつけること
・家族の人数とパントリーの面積はリンクしているかどうか
キャンピング用品、趣味の自転車、スノーボードやサーフボードの収納なども思いのままにできるでしょう。キッチンも同じように、アイランドキッチンや対面キッチンなど生活スタイルに合わせてお好みの間取りでお好きなキッチンを設置することが可能です。
そのキッチン収納や食器棚スペースが十分に確保されており、さらにお子様がもう大きくなられており近い将来お料理を作る量が減る可能性がある場合、パントリーに敷地を使うよりもリビングや書斎に使った方が良い場合もあります。
逆に、まだお子様が小さいけれど数年で食事の量が増えることが想定される場合は、食料以外にも生活用品のストックルームとしてパントリーを設けるメリットが多くあると言えるでしょう。
・パントリーに適した温度・湿度を保てる方角かどうか
キッチンは自然光が差し込むようにしたいと想定しているとします。
そのキッチンに隣接するようにパントリーを確保すると温度が上がりやすい場所になっていませんか?
キッチンそのものにも言えることですが、来客時に見えないようなキッチンの間取りにすると日当たりは悪くなるけれどパントリーとしての機能は向上させることができます。
反対に、オープンキッチンでモデルルームのようなイメージそのままのキッチンにすると、パントリーを隣接するのが難しく、扉をつけて納戸として独立させた方がビジュアルも機能性も向上するケースがあるのです。
・どのぐらいの頻度で買い物をする生活スタイルか
備蓄を心掛ける習慣がついてしまい、少しずつ普段よりも買い物をする量が増えているのが各家庭に共通して言えることですが、買い物をする利便性はそれぞれの立地条件でかなり差があります。
スーパーが近所になく、必ず自家用車を出して一度に大量の食材を買って過ごすスタイル。ダブルインカムのご家庭で、お買い物をするタイミングが無く1週間以上分の食料を業務用スーパーなどで買いだめして生活するスタイルであればパントリーは十分活用できます。
しかし定期的に野菜などのデリバリーを受け取って毎週使い切る、近所に徒歩ですぐに買い物に行けるといった生活パターンであれば、パントリーよりもキッチンスペースを広く確保した方が実際に住んだ時に快適かもしれません。このように、一つの空間を切り取って考えると憧れる要素が、生活に即して考えるともしかしたら適していないまたは違う形を選択した方が良い場合があるのです。
まとめ
本来レストランでの「配膳室」の役割を指していた言葉が海外で「食糧庫」の意味も含まれるようになり、それが日本にも定着した「パントリー」の意義についてお話ししてきました。
雪深い国や、農村などの人里離れた場所では、頻繁に食料を調達しに行くことができないので数か月分の食料を保管する場所として備え付けているお宅が多いものです。ではこの流通が安定している日本ではパントリーをどう考えるべきなのでしょう?
現在のような状況下では備蓄をして過ごすのがメジャーになりつつあるので、パントリーという場所の注目度も高まっているように思います。
しかし何人家族なのか、敷地面積に対してパントリーに空間を使いすぎていないか、キッチンの横でなければならないのか、その場所は食料を保管するのに適している温度・湿度なのか、といったポイントにも気をつけなければいけません。
東海市で注文住宅をお考えの際は、実際に住んでいらっしゃる方のお話しを聞くこともできます。
是非お気軽にお問い合わせください。
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