大は小を兼ねるということわざがありますが、家の場合は一概に広げればいいとはかぎりません。
家が広ければ居住空間が増え、収納スペースを増やすことができますが、反面、固定資産税や光熱費などの維持コストがかかってしまいます。
お子さんの独立や単身赴任などでライフスタイルが変化すると、今まで使っていた部屋が使われなくなってしまうことがあります。そんなときに使わない部屋を減らす「減築」をしてみませんか?
|そもそも減築って何?|
減築とは、家をダウンサイジングするリフォームで、生活状況に合わせて、使っていない部屋を取り壊します。
子どもの独立や、家族の単身赴任、家族の構成人数が変わるなど、ライフスタイルが変わると今まで必要だった部屋が使われなくなってしまうことがあります。
部屋が余ると掃除も大変ですし、床面積が増えて固定資産税が増えてしまいます。使われなくなると部屋の傷みも激しくなるため、維持費用も高くついてしまうでしょう。これらのデメリットを回避するために減築は効果的なのです。
|減築することで得られるメリット|
・固定資産税を減額できる
家にかかる固定資産税は家の床面積が広くなればなるほど、税率が高くなってしまいます。減築をすれば床面積を減らすことができ、税率も低下し、固定費を抑えることができます。
・維持費用が安くなる
減築をすると家の維持費用を抑えることができます。家は住んでいるうちに年々傷んでくるもの。外壁の塗装費用や、部屋の壁紙・床・壁の修繕費用は家が広くなればなるほど高くなってしまいます。使わない部屋や2階部分を取り壊せば、不必要な修繕はいらなくなり、維持費用を抑えることができます。
・光熱費が節約できる
家が狭くなると光熱費を節約することができます。効果がわかりやすいのが冷暖房。家が広いと空調の効率が悪くなり、その分電気代がかかってしまいます。また、照明の電気代も同様にかかってくるでしょう。減築をして居住空間をあえて狭くすることで光熱費を節約することができるのです。
・家事負担(掃除など)が減る
放っておいても部屋にはほこりがつもりますし、窓ガラスも汚れていきます。掃除をしたほうがいいと思っていても、普段つかっていない部屋の掃除は乗り気にならないものです。使わない部屋を取り壊してしまえば、掃除の負担は減りますし、移動の手間も省けます。結果的に時間の節約にもなるでしょう。
・採光が良くなる可能性も
部屋を取り壊すと隣の家との間隔が広まり、採光がよくなることがあります。また、2階部分を取り壊す際に、屋根に天窓をつければ光の通り道になり、部屋の中を明るく照らしてくれます。明るい部屋は照明を灯す必要がなく、光熱費の節約になります。
・防犯性が上がることも
使われていない部屋に明かりを灯す必要はありませんが、人の気配がない部屋は泥棒などの侵入経路として使われてしまうことがあるようです。家の面積を減らし、人目につく場所を増やすことで、防犯性を上げることができます。
・老後の生活や介護がしやすくなる
高齢になると足腰が弱くなり、階段の上り下りがつらくなったり、階段から転落してしまう危険性もあります。減築で2階部分を減らし、階段の上り下りをなくせば、歳を重ねてからでも快適で安心な家に住むことができるのではないでしょうか。
|デメリット|
・工事期間中の仮住まいが必要になる
2階部分の撤去や壁を取り壊す大規模な減築をする場合には、工事中に住む借家やマンションが必要になります。工事の内容によりますが、その期間は3カ月程度。付随して発生する仮住まいの家賃や家財の移動費用もデメリットと言えそうです。
・収納が減る
減築をすると物を収納する空間が減ってしまいます。このデメリットを回避する方法は、物を減らすこと、ロフトを作ることが考えられます。固定資産税で床面積に数えられるのは、1.5m以上の天井高を持つ場所。1.4m以下のロフトをつくって、そこを収納にすれば、固定資産税を抑えつつ、収納空間を確保することができます。
・費用がかかる
減築の一番のデメリットは数百~数千万円の費用がかかること。減築をすると光熱費や税金などの維持費を大きく節約することができますが、節約を期待して減築してもリフォーム費用のほうが高くなってしまうことも考えられます。かかる費用と減築によって得られるメリットを天秤にかけたうえでリフォームをするようにしましょう。
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